「最近、食事を残すことが増えた」
「もう少し食べてほしいけれど、一度にたくさんは食べられない」。
そんなとき、何を足せばよいのでしょうか。
食事量を補う方法は、栄養補助食品を買うことだけではありません。いつもの料理を少し工夫したり、食べられる時間におやつを足したりする方法もあります。それでも量を増やしにくいときに頼れるのが、少量でエネルギーを補える飲料やゼリーです。
この記事では、普段の食事でできることから、栄養補助食品8商品の違い、取り入れた後の見直し方まで紹介します。本人が「これなら食べられそう」と思える方法を探していきましょう。
高齢者の栄養補助食品はどう選ぶ?
まずは「どこで食べる量を増やせそうか」を考える
食事をもう一口増やせそうなのか、食間なら何か食べられるのか。それとも、食べる量そのものを増やすのが難しいのか。ここが分かると、選ぶ方法も変わってきます。
- いつもの料理なら食べられる:卵料理にチーズを加えるなど、今の食事を少し工夫する。
- 間食なら食べられる:午前や午後に、ヨーグルトやプリン、固形の栄養補助食品などを足す。
- 食事も間食も少ししか入らない:100~125mLで200kcalの栄養補助飲料や、40gで150kcalの栄養補助ゼリーなど、少量でエネルギーを補える商品を考える。
次に、減りやすいエネルギーをどう補うか考える
食べる量が減れば、ご飯やおかずから摂っていたエネルギーやたんぱく質も減りやすくなります。
この記事では、そのなかでも「少ない量でエネルギーをどう補うか」を中心に紹介します。まずは普段の食事や間食でできることを考え、専用商品を選ぶときは食べられそうな量と、1回分のエネルギーを比べてみましょう。
食事量は十分で、たんぱく質を意識して増やしたい場合は、高齢者向けプロテインの選び方で詳しく紹介しています。
専用商品を買う前に|普段の食事・間食で補う方法
いつもの料理に少し工夫を加える
「もう一品は食べられない」という人でも、いつもの料理なら少し工夫できるかもしれません。
例えば、卵焼きにチーズを混ぜる、スープを牛乳で作る、いつもの温野菜にオイルやマヨネーズを少し足す。料理を一品増やすより取り入れやすく、食べる量をあまり変えずにエネルギーを足せます。
特別な料理を作る必要はありません。本人が好きなメニューで、無理なく続けられる工夫を選びましょう。持病などで食事の指示を受けている場合は、その内容に合わせてください。
一度に食べられない分を間食で補う
朝ごはんは少なめでも、10時頃にはお腹が空く。そんな人なら、食べられる時間に間食を加える方法があります。
ヨーグルトやプリン、チーズ、アイスクリームなど、普段のおやつでも構いません。まずは好きなものを一つ、いつもの食事とは別の時間に足してみる。それだけでも、何なら食べられるかが分かります。
ただし、間食でお腹がいっぱいになり、その後の昼食や夕食が減るようなら、時間や量を調整しましょう。
少ない量でしっかり補いたいときは栄養補助食品も候補に
食事や間食を増やそうとしても、なかなか食べ切れない。そんなときは、少量で多くのエネルギーを取れる栄養補助食品が役立ちます。
例えば、メイバランスMiniカップとエンジョイクリミールは125mLで200kcal。さらに少ない量で補いたい人には、100mLで200kcalのアイソカル100もあります。200kcalは、ご飯を茶碗に小盛り1杯(約130g)食べたときとほぼ同じエネルギー量。 食事をもう少し増やすのが難しくても、飲み物なら取り入れられる人もいます。
無理に食べる回数を増やさず、飲料やゼリーで補う方法もあります。次は、普段の食べ方に合わせた選び方を見ていきましょう。
固形・飲料・デザート型をどう使い分ける?
今回の8商品は、食べ方で分けると固形・飲料・デザート型の3つ。ここでいうデザート型は、普通のお菓子のゼリーだけでなく、少量でエネルギーを補える栄養補助ゼリーやアイスのことです。
| 食べ方 | こんな人に | 比較する商品 |
|---|---|---|
| 固形 | おやつとして何か食べ足せる | カロリーメイト、バランスオンminiケーキ |
| 飲料 | 固形物を追加するのは難しいが、飲み物なら取れそう | メイバランスMiniカップ、エンジョイクリミール、アイソカル100 |
| デザート型 | ゼリーやアイスなら食べられそう | メイバランスソフトJelly(パウチから吸って食べるゼリー飲料)、エンジョイ小さなゼリー150(カップゼリー)、メイバランスアイス |
固形タイプ|間食を食べられる人に
カロリーメイトやバランスオンminiケーキは、いつものおやつに近い感覚で取り入れられます。常温で置けて、外出時にも持っていきやすいのが利点です。
一方、普段の食事さえ残してしまう人に、さらに固形物を食べてもらうのは負担かもしれません。食間におやつを食べられるかどうかが、選ぶ目安です。
飲料タイプ|食事中でも、食間でも
栄養補助飲料は、おやつの時間だけに飲むものではありません。朝食の飲み物として添える、昼食にスープ系の味を選ぶ、午後の間食に飲むなど、普段の食事に合わせて取り入れられます。
まずは、125mLで200kcalのメイバランスMiniカップとクリミールから、好みの味を探してみましょう。125mLでも飲み切るのが難しければ、100mLで200kcalのアイソカル100も候補です。食事と一緒でも、食間でも、無理なく飲めるタイミングを選んでください。
デザート型|ゼリーやアイスなら食べられる人に
飲料は苦手でも、食後のゼリーなら食べられる。冷たいアイスなら食が進む。そんな場合には、デザート型を選ぶ方法もあります。
パウチから吸って食べるゼリー飲料のメイバランスソフトJelly、スプーンで食べるカップ型のエンジョイ小さなゼリー150、メイバランスアイス。食感も1回量も違うので、食後の一品にするか、午後のおやつにするかも含めて選べます。
高齢者向け栄養補助食品8商品を比較
8商品の1回量とエネルギーを比較
同じ「栄養補助食品」でも、1回分は約100~200kcalと差があります。食べられる量で、どのくらいのエネルギーを補えるかを比べてみましょう。たんぱく質は商品ごとの違いが分かるよう、参考値として併記しています。
| 商品 | 1回分 | エネルギー | たんぱく質 |
|---|---|---|---|
| カロリーメイト ブロック | 2本・40g | 200kcal | 4.2g |
| バランスオンminiケーキ | 1個・23g | 98kcal | 1.1g |
| メイバランスMiniカップ | 125mL | 200kcal | 7.5g |
| エンジョイクリミール | 125mL | 200kcal | 7.5g |
| アイソカル100 | 100mL | 200kcal | 8.0g |
| メイバランスソフトJelly | 125mL | 200kcal | 7.5g |
| エンジョイ小さなゼリー150 | 40g | 150kcal | 5.0g |
| メイバランスアイス | 80mL | 100kcal | 3.7g |
※2026年10月13日確認。メーカー公式サイトの代表規格による表示値です。味・シリーズによって成分が異なる場合があります。重量(g)と容量(mL)は直接比べられません。
例えば、カロリーメイト1本なら100kcal、バランスオンminiケーキ1個なら98kcal。少しだけ間食を足したい人は、ほぼ同じエネルギー量でも食感が違うことを選ぶ目安にできます。
価格の目安と、必要な購入単位を確認する
価格は販売店やセット数で変わります。商品を決めるときは、1本・1個当たりの価格だけでなく、必要な個数と送料を含めた支払額を確認しましょう。特にアイスは冷凍配送になるため、送料によって総額が変わります。
この記事では、商品詳細の下に2026年10月13日に確認した販売例を添えています。どの販売先が安いかを決めるためではなく、どのくらいの単位・費用で購入する商品なのかをイメージするための情報です。購入時は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの最新の販売条件をご確認ください。
商品ごとの特徴と向いている使い方
ここからは、8商品の違いを、実際の使い方に合わせて紹介します。商品によって使用上の注意が異なります。購入前には、メーカー公式情報と商品表示をご確認ください。
※商品ごとの価格は、2026年10月13日に確認したYahoo!ショッピングの販売例(税込)です。
カロリーメイト ブロック|固形のおやつを少し足したい
カロリーメイト ブロックは、チーズ味なら1本100kcal。昼食まで時間が空くときなど、固形のおやつを少し足したい人に向いています。ブロック状でやや乾いた食感が合わないなら、次のケーキ状の食品も候補です。
価格の参考例:チーズ味2本入1箱・税込114円。別途送料のある店舗の例です。
購入先を選ぶ:
バランスオンminiケーキ|ケーキ状の間食を選びたい
バランスオンminiケーキは、チーズケーキ味が1個23g・98kcal。カロリーメイト1本の100kcalとほぼ同じなので、カロリーの差ではなく、しっとりしたケーキ状の食感が好みに合うかで比べられます。
価格の参考例:チーズケーキ味10個・税込900円(1個90円)。
購入先を選ぶ:
メイバランスMiniカップ|少ない飲料で200kcalを補いたい
1本125mLで200kcal、たんぱく質7.5g。少量の飲料でエネルギーだけでなく、ビタミンやミネラルなども補える商品です。コーヒー味のほか、果物系やスープ系など、味の選択肢もあります。
次に紹介するエンジョイクリミールも、同じ125mLで200kcal。好みの味があるか、買いやすいかで選べます。
価格の参考例:コーヒー味24本・税込5,443円(1本約227円)。
購入先を選ぶ:
エンジョイクリミール|メイバランスと味を比べたい
1本125mLで200kcal。メイバランスMiniカップと容量・エネルギー量が同じなので、味の好みや買いやすさで選べる、もう一つの候補です。コーンスープ味、ほうじ茶ラテ味など、全8種類が用意されています。
どちらも気になる場合は、少ない本数のセットやアソートセットがあるかを見てみましょう。好きな味が見つかれば、続けやすくなります。
価格の参考例:コーヒー味24本・税込4,195円(1本約175円)。
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アイソカル100|125mLでも多いと感じる人に
メイバランスMiniカップやクリミールはどちらも125mL。それでも多くて飲み切れそうにないときは、100mLで200kcalのアイソカル100を比べてみてください。同じエネルギーを25mL少ない量で摂れるのが、この商品の強みです。たんぱく質は8.0gです。
価格の参考例:コーヒー味12本・税込2,220円(1本185円、送料別)。
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メイバランスソフトJelly|ゼリー飲料が好みなら
1個125mLで200kcal。パウチから吸って食べるタイプのゼリー飲料です。普通の飲料よりも、なめらかなゼリーの食感が好みの人に向いています。
そのまま食べるほか、器に出してスプーンで食べることもできます。
次に紹介するエンジョイ小さなゼリー150は、スプーンで食べるカップ型。吸って食べるゼリー飲料と、スプーンで食べるゼリーのどちらが好みに合うかで選べます。
価格の参考例:ヨーグルト味6個・税込1,496円(1個約249円、送料別)。
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エンジョイ小さなゼリー150|小さな一品を追加したい
1個40gで150kcal、たんぱく質5.0g。食後に何かもう少し食べられそうなとき、小さなカップを一つ足せるのがこの商品の魅力です。りんご味、もも味などがあります。
飲料を1本追加するのが難しい人でも、食後や間食に小さなデザートなら入る場合があります。少し食べるだけでもエネルギーを補いたいときに比べたい商品です。
価格の参考例:アソート24個・税込4,354円(1個約181円、送料未確認)。
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メイバランスアイス|アイスなら食べられる人に
1個80mLで100kcal、たんぱく質3.7g。いつものアイスを楽しみにしている人なら、栄養補助を意識したアイスに替える方法もあります。普通のアイスでもエネルギーは取れますが、メイバランスアイスにはビタミンやミネラル、食物繊維も含まれています。
冷凍品なので、注文するときは冷凍送料を含めた金額も確認しましょう。なお、乳糖不耐症の方は使用しないでくださいとメーカーが案内しています。
価格の参考例:バニラ味6個・税込521円。冷凍送料を含めた総額は購入先で確認してください。
購入先を選ぶ:
甘い・量が多い・続かないときの工夫
甘さが合わないなら、味や食べ方を変える
栄養補助飲料を買ったものの、甘さが強くて飲み切れない。そんなときは、同じ味を我慢して続けなくても大丈夫です。
コーンスープ系の味に替える、飲料よりゼリーやアイスの方が好みなら食べ方を変える。普通のプリンやヨーグルトに戻す方法もあります。栄養成分がよくても、口に合わなければ続けにくいものです。
量が多いなら、少量の商品も比べる
125mLの飲料が多いと感じるなら100mLのものを、デザートなら40gの小さなゼリーを候補に。食べ切れる量を選びましょう。
開封した食品は長時間常温に置かず、保存や飲み残しの扱いは商品表示に従ってください。
価格が負担なら、普通の間食へ戻してもよい
毎日使うものだから、価格も無視できません。気に入った商品でも買い続けるのが負担なら、料理を工夫したり、普段の間食と組み合わせたりしてもよいでしょう。
最初から大きなセットを買う前に、単品や少数セット、味を選べるセットがあるか確認しておくと、合わなかったときの無駄を減らせます。
栄養補助食品を取り入れた後に確認したいこと
次の食事が減っていないか
午後に200kcalの飲料を1本飲めても、それでお腹がいっぱいになり、夕食をいつもより残してしまうことがあります。商品を飲んだ分だけ、1日の食事量が増えたとは限りません。
家族が様子を見るときも、飲料が減ったかどうかだけでなく、朝・昼・夕の食事まで含めて見てみましょう。今までより食べられているか、次の食事に響いていないかが判断材料になります。
味・量・費用が本人に合っているか
数日試したら、次の3つを振り返ってみてください。
- 食べ切れたか:飲み残しや食べ残しが多いなら、量や形態を見直す。
- 次の食事に響いていないか:夕食が減るなら、時間や量を変える。
- 続けられそうか:味や価格が合わなければ、別の商品や普通の間食も候補にする。
「買ったから飲み切らなければ」と考えず、本人に合うやり方を探していきましょう。
食事量や体重の低下が続くときは
間食や栄養補助食品を取り入れても、食べる量が減り続ける、意図せず体重が落ちる場合は、食品の種類を替えるだけで様子を見続けないでください。かかりつけ医などに相談しましょう。詳しくは高齢者の食欲不振の原因と対策で説明しています。
また、飲み物や食事でむせることが繰り返される、以前より増えてきた場合は、高齢者のむせ・飲み込みにくさの原因と受診の目安も参考にしてください。食べやすそうな見た目だけで、誰にでも合う食品とは限りません。
まとめ|生活に合う栄養補助の方法を選ぼう
食事量が減ってきたときは、いつもの料理に少し足す、食べられる時間に間食を取る、少量の栄養補助食品を使う、といった方法があります。
固形を食べられるか、飲み物なら取れるか、デザートの方が食べやすいか。 まずは本人が無理なく試せる方法を選んでください。
そして、足した食品だけでなく、その後の食事も見てみましょう。一日を通して食べる量が増えているか、続けられそうか。そこまで見ながら、本人に合う方法を見つけていきましょう。
参考資料
- European Society for Clinical Nutrition and Metabolism. ESPEN practical guideline: Clinical nutrition and hydration in geriatrics(2022年) https://doi.org/10.1016/j.clnu.2022.01.024
- 国立長寿医療研究センター「バランスのよい食事とは」 https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/66.html
- 消費者庁「特別用途食品について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_special_dietary_uses/
- 農林水産省「ご飯のカロリーはどのくらいありますか」 https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1202/02.html (炊いた精白米100g=156kcal、約130g=約203kcal)
- 商品別の栄養成分・使用上の注意:各メーカー公式ページ(2026年10月13日確認)

